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あなたに最適の子育て支援は幼稚園?それとも保育園??

生活
2016.12.14
幼稚園と園庭

産休・育休が取得できる会社は増えてきましたが、結婚や出産を機に会社を退職するという女性は少なくありません。

産休・育休を取得している女性であれば選択肢は社会復帰の一つだけでしょう。
しかし、退職した女性は子供を預けて働くべきか、子供のそばにいてあげるべきか……。
大きな選択を迫られていることと思います。

働かないにしても子供のためにも自分のためにも子育てを支援してくれる施設の手助けは受けたいもの。
ではいざ子供を預けようと考えたとき、あなたは幼稚園に預けますか?それとも保育園に預けますか?

幼稚園と保育園には明確な違いがありますので、もしかしたらあなたが希望しても受け入れしてもらえないことがあるかもしれません。
また、いざ預けてみたら自分の求めていたことを全然してくれなかった、なんてことも。

大切な子供の時間も無駄にしないように、二つの園の特徴を事前にしっかり知っておくことにしましょう。

幼稚園は教育施設、保育園は福祉施設

まずは二つの園の基本的な部分を比較してみます。

(表1)
幼稚園 保育園
管轄 文部科学省 厚生労働省
定義 教育施設 児童福祉施設
入園資格 決められた年齢(3歳)になれば可能。 親に事情があり、子供の保育が難しい時に入園可。
預り時間 9~14時ぐらいの時間帯が多い 7時半~18時ぐらいの時間帯が多い
4時間 11時間
給食 任意 義務
先生の保有免許 幼稚園教諭免許状 保育士資格証明書
お昼寝 ないところが多い ある

幼稚園が文部科学省管轄の教育施設なのに対し、保育園は厚生労働省の福祉施設です。
つまり、幼稚園は学ぶ場、保育園は保護する場というわけです。

実際入園資格を見てみても、幼稚園は年齢に達すればすべての子供に入園資格が与えられますが、保育園は親に事情がなければ入園することはできません
この事情というのは、仕事であったり病気であったりで子供を保育するのに充分な状態でないと判断されること。
要するに保育が必要な乳幼児の世話をできない人のみが保育園を利用できるということです。
よくあるケースとしては夫婦共働きである場合や、夫は在職中で妻が求職中の場合などが挙げられます。
しかし、共働きの希望が増えている昨今では必ず希望する園に入園できるとは限りません。
これが最近何かと問題となっている「待機児童問題」というわけです。

預り時間から比較する

「保育園に入園させられなかったけれど働きに行きたいから、幼稚園に入園させよう」
と考える方もいるかもしれませんが、その選択はできないと考えてもいいでしょう。

保育園が標準11時間子供を預ってくれるのに対し、幼稚園では4時間程度しか預かってくれません。
時間帯も夕方まで預かってくれる保育園に対し、幼稚園はお昼を過ぎれば帰ってきます
パートといえど6時間以上の拘束が基本となるでしょうから、幼稚園に預けて自分は働きに出るというのは誰かの協力なしには絶対に無理です。

また、保育園では残業などに柔軟に対応してくれる延長保育を導入しているところも多くありますが、幼稚園ではほとんど行っていないというのが現状です。

内容から比較する

幼稚園と保育園とでは、在園中の子供に対する扱い方も全く違います。
幼稚園教諭は園児を指導する立場にあり、小学校前の教育を行う立場にあります。
対して保育士は児童を保育する立場にあるので基本的には世話はしてくれますが教育は行ってくれません。

例えば、幼稚園ではひらがなの書き方や英語教育など、勉強に関する時間が多く設けられているのに対し、保育園ではお絵かきや自由に遊ばせるなど、遊びに関する時間が長いと言われています。

もちろん、園の方針によって細かな違いはあります。
最近では教育も保育も行う幼稚園と保育園の中間のような施設もありますので、どちらも利用したいというのであればそういう方針の園を探してみるといいでしょう。
ただ、基本的にはお互いは全く違う理念で設立されているということは理解しておきましょう。

給食で比較する

保育園では給食が義務なのに対し、幼稚園では任意となっています。
もちろん毎日給食を出してくれる幼稚園もありますが、すべてお弁当という幼稚園もあります。
このあたりは園によって違うので、直接問い合わせてくださいね。

お弁当 給食
お弁当の用意 大変 手間はない
子どものアレルギー 周りもお弁当なので気にならない 自分だけ違うものを食べると気になる
好き嫌い 意識的に用意しないと食べない食材ができてしまう いろいろなものを食べるので好き嫌いが出にくい
給食がそもそも口に合わないと園に行くことが負担になるというケースもある

お弁当にも給食にも、それぞれいいところがあります。
例えば、お弁当であればアレルギーの子が周りと一人だけ違う食べ物を食べている、という心理的な不安に悩まされる心配が少ないでしょう。
たまに給食が嫌いという理由で子供が園に行きたがらないというトラブルもあるようです。
お弁当であれば子供の好みに合わせて対応してあげることができるので、このようなトラブルを未然に防ぐことができます。
逆に給食であればお弁当を用意する手間がありません。
また、いろいろな食べ物が出るので好き嫌いを減らす効果もあるそうです。

お昼寝で比較する

子供の発育に必要な睡眠を十分にとらせるためにも、お昼寝が大切という意見があります。
子供がしっかり寝てくれないこともあり、親にとってはストレスのかかる作業ではありますが、これを園が代行してくれたらありがたいですよね。

ただ、幼稚園はその在園時間の短さからお昼寝がないところが多いようです。
年齢も3歳を超えると体力がついてきてお昼寝をしてしまうとかえって夜に眠らなくなってしまうから、という意見もあるようです。

これに対して保育園では6歳になっても基本的にはお昼寝があります。
小学校入学してから突然お昼寝がなくなって戸惑う子もいるようですから、卒園が近づいて来たら気にかけてあげる必要があるでしょう。

中には小さいうちからお昼寝をあまりせず、周りと違って眠れないことが子供のストレスとなってしまうこともあるようです。
この点に関しては保育士と相談してお昼寝の時間に静かに絵本を読んだり、別室で静かに遊ぶなどさせてもらうようにお願いすることができます。
子供の負担にならないように子供の意見も尊重して、保育士ときちんとコミュニケーションをとるようにしましょう。

保育料で比較する

保育料で比較する前に、まずはそれぞれ2種類の園があるということを説明しておきましょう。

幼稚園には公立私立2種類の園があります。
二つの大きな違いはカリキュラムです。
例えば、お寺や教会に併設しているような私立の幼稚園であれば宗教的な学びの時間がありますし、自然と触れ合う、動物と触れ合う、など幼稚園独自の様々な特徴があります。

保育園には認可保育園と認可外保育園の2種類があります。
よく認可外保育園と聞くと、違法な保育園ではないかと心配になられる方がいますが、保育園である以上認可外であってもきちんとした施設であることには変わりがありません。
また、認可外とは従来の保育園のカリキュラムから外れたことを行っている園という意味でもあります。
普通の保育園よりも幼稚園のように学びのカリキュラムをプラスされて、保育園と幼稚園の中間のような認可外保育園もあります。
こういう保育園は「幼稚園に入れたいけれど、長時間預ってくれる保育園でなくては仕事ができなくなってしまう」という人に人気のようです。

幼稚園 保育園
公立 22万 認可 30万
私立 50万 認可外 60万

金額だけで比較してみると、公立の幼稚園が最も安いという結果になります。
幼稚園・保育園共に私立・認可外は公立・認可の二倍程度ですから、この違いはかなり大きいですね。

ただ、金額だけのことを考えるのではなく、子供にとっては一生に一度の幼稚園・保育園ですから教育の面や設備からしっかりと考えて入園するところを決めていきたいですね。

その他、それぞれの常識

幼稚園・保育園には通ってみないと意外と気が付かない様々な常識があります。

例えば、保育園に通う子はほとんど習い事をさせることができません
もちろん、自分が働いているので習い事への送り迎えができないから当たり前といえば当たり前の話なのですが、小さいうちから英会話やピアノ、バレエなど習わせておきたいことがあるのでしたら幼稚園に通わせて習い事に連れて行くというのが理想的です。

保育園の行事は夕方以降

保育園の行事の多くが夕方以降に執り行われますが、幼稚園では日中です。
普段近くに住むおじいちゃんおばあちゃんなどにお迎えをお願いしていれば自分が働いていても幼稚園に通わせることは可能です。
でも、先生や園との面談など行事は自分たちが参加したいですよね。
それに行事ごとに仕事を調整するのは職場の理解も必要となりますし、自分の持っている仕事との折り合いをつけるのも大変です。
やはり夫婦共働きなのであれば、保育園を選択するほうがより自然といえるでしょう。

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