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スペインまで行くなら「直行便」?それとも「乗継便」?

エンタメ
2017.03.14
サグラダファミリア

死ぬまでに観てみたい景色はありますか?
筆者はスペインのバルセロナにある超有名教会「サグラダファミリア大聖堂」(以下サグラダファミリア)がそれでした。
筆者と同世代(30歳くらい)の方であれば某インスタントコーヒーのCMであの壮大な建物と出会ったという人も少なくないはず。
むろん、筆者もその一人です。

サグラダファミリアと言えば、完成しない教会ということでも有名でした。
何しろもう百年以上工事が続いているのです。
百年も経てば歴史深いヨーロッパと言えど歴史的建造物なので、最初に作ったところからどんどん崩壊して行ってしまいます。
直しては新しいところを作り、新しいところを作ればまた直してとその繰り返し。
作業も進まないわ、そもそも最適な工法が確立していなかっただわ、実は違法建築だったわでとにかくいろいろと問題の多かった建物なのですが、現在では、きたる2026年にサグラダファミリアは完成するという吉報が発表されています。

これはとてもとても喜ばしいことなのですが、完成するということは100年も続いた「完成しない教会、サグラダファミリア」が無くなってしまうということでもあります。
アンティークな建物に近代クレーンがにょきにょき生えている新旧混合のCMに憧れた筆者としては、ぜひともあの姿を目に焼き付けたい!
10年後に完成ということは5年もすればクレーンは無くなってしまうのでは?と危惧し、スペインへの渡航を目指したのでした。

スペイン旅行は直行便?乗継便?

飛行機

いざスペイン旅行を計画するにあたり、とりあえず知っておいていただきたいのが今回のテーマである、飛行機は直行便がいいか乗継便がいいか問題です。

最初に結論を発表します。

結論から言いましょう。
乗継便がおすすめです。

以下、長々とその理由を説明して行きますが、そんなことには特に興味がない方にお知らせしておきます。
ルフトハンザかフィンランドエアを選んでおけば間違いありません。
ヨーロッパには乗継便で行きましょう。

筆者がスペインに行った方法

筆者のステータス

似たような境遇の方の方がより親身に判断していただけると思いますので、まずは筆者のステータスをお伝えします。
住んでいるところや環境によって変化が大きいと思いますので、ご自身に当てはめて考えていただけるといい判断してください。

年齢:30歳
居住地:愛知県名古屋市
最寄りの空港:中部国際空港(電車で1時間ほど)
海外旅行経験
添乗員(現地案内人含)付きツアー:イタリア、トルコ、台湾
フリープランツアー:台湾
自力でブッキング:ドイツ(ただしドイツに留学中の知り合い有)
語学力:英語中学生くらい
今回の旅の目的:サグラダファミリアを観る。
備考:飛行機・空港が好き。海外旅行は観光地巡りがメイン。

利用したのは旅行会社のツアー

さて、前項の通り、筆者は日本語以外は英語すら話せない低レベル旅行者ですので、初めての国に滞在するときはとりあえずツアーを利用します。
スペインも周遊ツアーを探していたのですが、いかんせん金額が高い!
同行者の予定もあり8日間も滞在するのは難しいこともあり日数を減らしてフリープランにするか?といろいろ考えていました。

そんなとき発表されたのが今回参加した「直航便で行く!二都市滞在スペインツアー(添乗員付)」(仮名)でした。
なんでもしばらく就航を中止していたイベリア航空(スペインの航空会社)が成田-マドリード間の就航を再開したのだとか。
飛行機好きとしてはこれは見逃せない!しかも添乗員もついて値段も安いとすれば飛びつくしかないツアーだったのです。

ツアーの内容

日数:6日間
滞在都市:マドリード、バルセロナ
添乗員:有
国内出発空港:成田空港
おすすめポイント:直行便で訪れるスペイン
大まかな日程:
一日目・成田空港発マドリード着搭乗。マドリードから国内便でバルセロナへ移動。
二日目・バルセロナ観光。サグラダファミリア入場(鐘楼エレベーターで上まで)しない車窓観光。自由時間。
三日目・早朝マドリードへ移動。スペイン広場観光。市内車窓観光。プラド美術館入場。自由時間。
四日目・自由時間。
五日目(六日目)・マドリード発成田空港着搭乗。

なぜこのツアーを選んだか?

第一の理由は直行便だったからです。
これまで何回か海外旅行を経験してきましたが、台湾を除けば直行便というものに乗ったことがありませんでした。
直行便は金額が高くなる傾向にあるため、同じような日程であっても上位ツアーに参加しなければ利用することはできません。
格安ツアーばかりに参加している筆者にとって長距離の直行便はまだ観ぬ世界、憧れの的だったのです。

さらに、国内移動は片道5000円で最寄り空港からの便を手配してくれるということ。
中部国際空港から出て中部国際空港に帰って来るのは海外空港で乗り換えても同じですから、煩わしさも少ないと判断しました。
ちなみに、予約の段階で既に国内移動で利用できる航空会社が決定していたので、どの便になるかあらかじめ目星を付けておきました。
朝はぎりぎり、帰りは夜以降(国内帰着は午前中)というスケジュールでしたが、成田空港にも訪れたことがなかったのでついでに空港探検をしていれば待ち時間なんてそんなに苦にならないだろうと考えました。

このツアーで気になっていたところ

とは言え、100%満足してこのツアーを選択したわけではありません。
心配材料もいくつかありました。

例えば、国内移動便が手配できない可能性があるということ。
国内便が手配できたかどうか知ることができるのはツアーの無料キャンセル期間が過ぎたあととのことでした。
もし手配できなかった場合は、成田まで始発の新幹線を利用して移動してもぎりぎり間に合わないくらいの時間です。
前日入りも視野に入れて考える必要が出てきます。
金銭的なことを考えても片道5000円というわけには行きませんので、余分な出費が出てしまいそれならもうちょっと出してもっといいツアーを選ぶのも?と考えさせられました。
結果的には飛行機は手配できたのでよかったですが、これがうまくいっていなかったらキャンセル料を支払っても別のツアーに乗り換えたかもしれません。

また、バルセロナでサグラダファミリアを観ることが目的の今回の旅行ですが、できればバルセロナ郊外にある「コロニアグエル教会」も見ておきたいと考えていました。
バルセロナの自由時間が半日程度なので、コロニアグエルまで行って帰ってこられるか?が非常に不安ではありました。
結果としては行って帰ってこられたのですが、その他のバルセロナのガウディ建築物は観られず、移動距離も長かったので思っていた以上に疲れました。
あと一日あれば他の建物も充分楽しめたと思うので、あそこまで行ったのにもったいなかったなと思います。

行ってみて実際どうだったか?

叫ぶ女の子

スペインは遠い!

さて、実際行ってみての感想です。
成田からマドリードまでの移動はおよそ13時間。
とにかく長かった

これまでヨーロッパに行くときはフィンランドエアをよく利用していました。
フィンエアは「日本から一番近いヨーロッパ」と題して地球の丸みを考えたらヘルシンキ空港での乗り換えが近くて便利と広告しているのですが、その有用性を実にまざまざと思い知らされました。

みなさん、13時間のフライトは長いですよ……。
もちろん、直行便ということもあり機内の個人モニターには日本語で視聴できる映画もたくさん用意されていますから暇つぶしには事欠きません。
とはいっても基本的には英語かスペイン語のプログラムですし、CAも半分以上日本語がわからないので機内の公用語は英語です。
そして、何度もお伝えしますがとにかくフライトが長い。
ヘルシンキ上空をフライトしたときは、フィンエアならここで降りれるのにな……と思ってしまいました。

バルセロナも遠い!

マドリードに移動してからはさらにバルセロナまでも移動です。
飛行機好きの筆者をもってしても、24時間以内に3本目のフライトですから、飛行機にげんなりしてしまいました。
さらに国際線からの乗り継ぎですからここで入国審査を受けなくてはいけません。

マドリード空港は成田空港同様にターミナルが複数あるので国際線ターミナルから国内線ターミナルへモノレールで移動しなくてはいけません。
乗り継ぎ時間は2時間30分くらいあったと思いますが、ぎりぎりで搭乗できたという感じです。

そこからさらに飛行機で1時間。
空港についてトランクケースを受け取って、バスで市内まで移動、ホテルについたのは22時を回っていました。

飛行機の遅延は「よくあること」

悲劇は突然やってくる

さて、13時間のフライトはこりごりだなと思ったものの、帰りは違うフライトにできるわけもなく。
しぶしぶ搭乗したイベリア航空機ですが、帰りは風の影響もあり13時間もかからず11時間45分くらいで成田へ到着しました。
時間は朝の9時くらい。
中部国際空港までの飛行機は夕方発なのでそれまでは成田周辺で待機です。

トランクを預けるためにカウンターへ向かうと、係の方に
「申し訳ございませんが、本日のフライトは1時間遅れての出発となります。ご了承くださいませ。」
と言われました。
嫌だなあとは思いましたが、抗い様もないので承諾してトランクを預けます。
その後、空港探検やら成田山参拝やらをすませて2時間くらい前には保安検査場を通過。
旅の疲れも本格的に出始め搭乗口で今か今かと出発を待っていたところ、搭乗30分前にまた係の方が登場。

曰く。
「この便は予定よりも遅れての出発となります。お急ぎの所、誠に申し訳ございませんが、ご了承ください。」
予定よりも1時間遅れて、まだ遅れる……。

飛行機の遅延は4時間以下は保障されない

理由を確認したところ、
飛行機が直前の渡航先(上海)で積み荷のトラブル。
まだ成田に到着していないから飛行機を飛ばせない。
到着後整備をして最速で出発を予定しているが、どれくらい遅れてしまうか正確な時間はアナウンスできない。
とのことでした。

もういい加減疲れていたので早く帰りたい気持ちでいっぱいでした。
ただ、飛行機の遅延は4時間以上でないと保障されないので、新幹線等を利用するというのも自腹です。
もちろんここでキャンセルしても航空券代の返還はありませんし、あと2時間以内くらいに飛んでくれれば帰宅は飛行機の方が早いでしょう。

同行者とも話し合い、このまま待つのが一番いいだろうと結論付き、そのまま待機しました。
当初の予定から2時間30分くらい遅れて中部国際空港へ帰還。
そこからさらに名鉄で1時間。
当初よりもだいぶ遅れて帰宅。
思っていた以上に疲れました。

まとめ

デメリット

今回の旅では
・直行便のフライトがとにかく長くて疲れてしまった
・直行便=行きたい都市でないならそれはもはや直行便じゃなくても一緒だった
・日本と言えど、飛行機は遅延しまくるので成田発のツアーに参加するにはそれなりの不便がある
というようなデメリットが目につきました。

メリット

もちろんメリットもありました。
・おまけ程度に考えていたマドリードでの美術館巡りが想像以上にすばらしかった。
・とにかく安く添乗員付きツアーに参加することができた。
・安いツアーだったのにも関わらずマイルの積載があった。中部国際空港-成田-マドリード-バルセロナと全て対象だったのでたくさんマイルが貯まった。

総括

メリットデメリットを見比べてみると、どうしても飛行機の遅延やら直行便での不自由が前に出てしまいます。
旅行自体には大満足だったのですが、自分の選択によって旅にケチを付けてしまったというのは否めませんでした。

今回のツアーでは筆者のように地方からの参加者もたくさんいらっしゃいました。
北陸新幹線を利用して成田まできている人や、青森空港・福岡空港から参加している方々もいらっしゃいました。
正直なところ、最寄り空港が国内線やアジア圏の国際線が中心の地方空港であればその洗濯もいいかもしれませんが、国際空港を掲げているセントレアから国内線を利用して成田へ、その後国際線で出国というのは時間的にも体力的にも不自由な選択だったと思います。 実際、今回筆者たちグループ以外に中部国際空港から参加した参加者は1組もいませんでした。

また、(実際は千葉ですが……)東京-名古屋という近距離を飛行機で移動するというのもナンセンスな選択だったかも知れません。
行きはともかく、帰りは新幹線で移動すると決めていれば、荷物は多少重たくても東京観光をしていても夕食までには帰宅することができたでしょう。
関空から参加されていた方達は飛行機での帰宅を予定していましたが直前でキャンセルして新幹線で帰られたようです。
いま思えば、あれが最適な方法だったのかなあと思います。

サグラダファミリアが完成したら、ぜひもう一度ゆっくりバルセロナを訪れたいと思っています。
そのときはやっぱりもう一度マドリードの美術館にも訪問したいと考えていますが、スペインまでの移動はぜひフィンエアを利用したいです。

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