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プレミアムフライデーを持て余したなら、美術館へ行こう!

エンタメ
2017.02.28

毎月最終金曜日は勤務時間が15時までになると言う新しい試み、プレミアムフライデー
皆さんの会社でも実施されていますか?

働きたがりの日本人には定着しづらい試みだとも言われていますが、折角もらえるものなのだったら精一杯有効に使いたいですよね。

プレミアムフライデーに美術館に行こう!

土日祝の美術館は激混み!

プレミアムフライデーの試みを初めて聞いたとき、私が思いついたのは美術館に行ける!ということでした。
以前、平日休みの仕事をしていたので休みの日には美術館によく通っていたのですが、転職して土日祝の休みになってからは足が遠のいてしまっていました。
その最大の理由はやはり人の多さです。

土日祝の美術館は有名な企画展でもやっていれば、もう絵を見ているのだか人を見ているのだかわからないほどです。
土日祝の美術館しか知らないのであれば耐えられたかもしれませんが、平日の美術館を知ってしまっている私には耐え難い状況でした。

金曜日は営業時間が延長してるって知ってました?

そこで、私が利用し始めたのが金曜日の夜に美術館へ行くということ。
私がよく行く名古屋市美術館と愛知県美術館では毎週金曜日、通常の営業時間(18:00まで)を延長してなんと20:00まで作品を楽しむことができます

15時に会社を出て、16時に美術館に着ければたっぷり4時間は作品を鑑賞することができます。

そんなに長い間、美術館にいるの?

名古屋市美術館も愛知県美術館も世界的にみれば決して大きな美術館ではありませんが、収蔵数は多いですし、有名作家の作品もたくさんあります。
ひとつひとつ丁寧に見て回ればあっという間に時間が過ぎてしまっています。

とはいえ、気に入った作品がなければ長居するのもなかなか難しいもの。
どんな作品があるかチェックしておきたいですよね。

名古屋市美術館について

名古屋市美術館とは?

名古屋市美術館は栄すぐ近く、白川公園内にあります。
隣にはギネスにも認定された超巨大ドームのプラネタリウムを有する名古屋市科学館があるので名古屋市民なら一度はこの公園に訪れたことがあるのではないでしょうか。

企画展のないようにもよりますが……。
休日、人がごった返す科学館と比べて名古屋市美術館の方はそんなに人が多くないです。

名古屋市美術館へのアクセス

地下鉄東山線・鶴舞線「伏見」下車、5番出口から南へ徒歩8分
地下鉄鶴舞線「大須観音」下車、2番出口から北へ徒歩7分
地下鉄名城線「矢場町」下車、4番出口から西へ徒歩10分

名古屋市美術館までは地下鉄を利用するのが便利です。
ただ、どの駅からもそこそこ歩きます。
一番わかりやすいのは伏見駅からですが、距離的に一番近いのは大須観音駅です。
大須観音駅から行くときは白川公園内を斜めに歩いて行くとより早くつけますよ!

名古屋市美術館の観覧料

観覧料は特別展のチケットと常設展のチケットがあります。
特別展のチケットを購入すれば常設展もみられることが多いです。

特別展 その都度金額が異なる。(500〜1500円が多いです)
常設展 一般 300円
高校・大学生 200円
名古屋市在住65歳以上 100円
中学生以下 無料

※「高校・大学生」は学生証、「名古屋市在住65歳以上」は敬老手帳等の提示が必要。
入場当日、名古屋市交通局の「一日乗車券」「ドニチエコきっぷ」を利用していると常設展が50円割引になります。

開館時間

平日・土日祝 9:30〜17:00
金曜日 9:30〜20:00

※金曜日が祝日の場合は17:00まで
入場は閉館30分前まで

休館日

毎週月曜日
ただし、月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日が休館
その他、展示の入れ替えのためなどで長期休暇があり

※休館日を確認してから出かけたほうがいいです。
休館日の確認はこちらでできます。

名古屋市美術館のコレクション

どの美術館にもコンセプトがあり、それにのっとって収集を行っています。
名古屋市美術館では郷土作家の作品をはじめ、「エコール・ド・パリ」「メキシコ・ルネサンス」「現代美術」を中心に収集しています。

注)作品評などはただの美術ファンである筆者の意見です。

エコール・ド・パリとは?

エコール・ド・パリは20世紀前半にパリで活動した芸術家の総称です。
1920年代のパリで活動した、出身がパリでないが。
画風も様々なので絵画をぱっと見ただけでは判断がつきませんが、「美術の教科書で見た!」「名前くらいは知ってる」と言うような画家がたくさんいます。

モディリアーニの「おさげ髪の少女」

名古屋市美術館イチオシの作品といえばこちら、モディリアーニの「おさげ髪の少女」です。

画面全体がオレンジ色でアフリカの彫刻のような顔で有名な画家です。
ガラス玉の目の上行く何の輝きもない木彫りの目のような作品が多いなか、おさげ髪の少女はわかりやすくかわいい女の子の絵です。
中学校か小学校の美術の教科書の表紙になっていたような気がするので、私と同年代(30歳です)の名古屋市公立小中学校に通っていた人ならみたことがあるはず。

この作品は大抵いつ行っても展示されています。
ただ、ガラスケースの中に入っていてちょっと鑑賞し難いですので、いつか間近でみられればなぁと思っています。

モディリアーニについてもっと詳しく知りたいときはこちら→wikipedia:モディリアーニ

シャガールの作品

※画像は名古屋市美術館収蔵の作品ではありません。

エコール・ド・パリの中心人物、シャガールの作品も多く収蔵されています。

シャガールの作品は油画より版画の公開が多いようです。
夢の中のようなぼんやりとした色調の絵が有名なシャガールですが、色がない版画でもその夢の中感は充分に味わうことができます。

メキシコルネサンス

名古屋市がメキシコのメキシコシティと姉妹友好都市であること。
愛知県瀬戸市に縁のある画家・北川民次がメキシコで活躍したことなどから作品を収集しています。

メキシコルネサンスとは、1920年から1930年にかけておこったメキシコの絵画運動です。
世に広く流布するために書かれたことから、キャンパスではなく壁に描かれた作品が多く、名古屋市美術館でも壁そのものの作品が展示されることもあります。

メキシコルネサンスの中で特に有名な作家と言えばディエゴ・リベラでしょう。
ただ、著名作家と比べれば有名ではないので知らないという方も多いですよね。

個人的にはルフィーノ・タマヨの作品が好きです。

現代美術

※画像は名古屋市美術館収蔵の作品ではありません。

絵画、オブジェ作品ともに様々な作品がありますが有名どころだと草間彌生の作品があります。
ショッキングピンクのボートに芋虫のような誕生しているかthe草間な作品です。

こちらの作品も大抵展示されているように思いますが、いま(2017/3)は貸し出し中のようです。

愛知県美術館について

愛知県美術館とは?

愛知県美術館は名古屋の商業施設中心地、栄にあります。
ビルの上層階にあるので土地勘があまりない人には「近くは通っていたけれどこんなところに美術館が!」という方も。
栄駅直結なので天候を気にせず来館することができます。

アクセスの良さからか、名古屋市美術館と比べても来館者は多いように思います。

愛知県美術館へのアクセス

・地下鉄東山線・名城線「栄」駅
・名鉄瀬戸線「栄町」駅

オアシス21地下連絡通路から愛知県芸術文化センターへ
エレベーターで10 階まであがる
徒歩3分

愛知県美術館までは地下鉄を利用するのが便利です。
屋根がずっと続く道なので雨天でも楽に移動することができます。

エレベーターは愛知県芸術文化センターに入ったら右手奥の方に進めばあります。
ガラス張りのエレベーターから見えるオブジェ作品もきれいですよ。

愛知県美術館の観覧料

観覧料は特別展のチケットと常設展のチケットがあります。
特別展のチケットを購入すれば常設展もみられることが多いです。

特別展 その都度金額が異なる。(800〜1500円が多いようです)
常設展 一般 500円
高校・大学生 300円
中学生以下 無料

※「高校・大学生」は学生証の提示が必要。

開館時間

平日・土日祝 10:00〜18:00
金曜日 10:00〜20:00

※入場は閉館30分前まで

休館日

毎週月曜日
ただし、月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日が休館
その他、展示の入れ替えのためなどで特別閉室あり

※休館日を確認してから出かけたほうがいいです。
休館日の確認はこちらから。

愛知県美術館のコレクション

愛知県美術館では以下のコンセプトに基づいて作品を収集しています。

20世紀の優れた国内外の作品及び20世紀の美術動向を理解する上で役立つ作品
現在を刻印するにふさわしい作品
愛知県としての位置をふまえた特色あるコレクションを形成する作品
上述の作品・作家を理解する上で役立つ資料

特に有名作は20世紀の美術に含まれるものが多いですね。

20世紀の美術

ゴーギャンやピカソ、マティスなどといった超有名画家の作品を数多く収蔵しています。

特にドイツ表現主義・シュルレアリスム・戦後アメリカ美術を中心に取り扱っているようですが、名古屋市美術館のように縁の作家を中心に収集するということではないようです。

グスタフ・クリムト「人生は戦いなり(黄金の騎士)」

※画像は愛知県美術館収蔵の作品ではありません。

クリムトと言えば接吻が有名ですね。
金色の不思議な柄の服を着た男女が描かれた接吻ですが、やはり特徴的なのはそのキラキラ具合ではないでしょうか。
名前の通り、愛知県美術館所蔵の「人生は戦いなり(黄金の騎士)」もキラキラな作品です。

筆者が初めてこの作品を見たときの印象は、こんなに小さいの!?でした。
愛知県美術館イチオシの作品で、広告にもよく使われているので引き延ばされたものばかりみていたんですよね。
ピカソのゲルニカとまでは行かなくとも、まあ壁にかけたら存在感のある大きさだろうと思っていたんですが……。
でもいま確認したら100センチ×100センチと決して小さい絵画ではないのですが。
美術館の高い天井に騙されたのでしょうか。

文化遺産オンラインで人生は戦いなり(黄金の騎士)を確認することができます。
文化遺産オンライン:人生は戦いなり(黄金の騎士)

ポール・ゴーギャン「木靴職人」

※画像は愛知県美術館収蔵の作品ではありません。

ゴーギャンと言えば、南国タヒチの人々を描いた作品が有名ですね。
愛知県美術館所蔵の「木靴職人」はそんなゴーギャンのイメージとはちょっと違った作品です。

ゴーギャンはゴッホの友人だったとしても有名ですが、「木靴職人」はそんなゴッホの作品のような変わった色使いの作品です。
theゴーギャン!というような作品ではありませんが、この時代にはゴッホの肖像を描いていたり有名な耳切事件が起こったりと何かとゴッホに縁深い時代ですので作品にもゴッホの影が落ちていて面白いなと思います。

もしtheゴーギャン!な作品がみたいのであれば、金山のボストン美術館の一階に複製の作品、「我々はどこから来たのか、我々は何か、我々はどこへ行くのか」が展示されているので見に行ってみるといいですよ。

木村定三コレクション

木村定三は名古屋の美術収集家です。
木村定三については愛知県美術館に多くの美術作品を寄贈した人と言う知識しかありませんでしたので、結局なにをした人なんだろう?と今回調べてみました。
が、収集家以外の情報は元会社社長ということくらいしかわかりませんでした。

熊谷守一

木村定三は特に熊谷守一のパトロンとして有名だったようです。
熊谷守一の作品は肩書きやら名前やらがなくともみればほっこり笑顔になれるような作品が多いですね。

筆者は割と美術作品を見ては考え込んでしまうのですが、熊谷守一の作品は何にも考えずに鑑賞できるところが好きです。

陶磁器・仏教彫刻など

木村定三のコレクションは絵画のみならず、陶磁器・仏教彫刻を始め考古遺物などもたくさんあります。
勉強不足でこれらの作品の善し悪しは絵画以上にわかっていませんが、好きな人にはたまらない作品も多くあるのだろうなと思います。

藤井達吉コレクション

愛知県出身の工芸家、藤井達吉から直接寄贈された作品や収集物のコレクションです。

藤井達吉は元々七宝店の職人として働き、絵画や和紙作りなど様々な分野で才能を発揮した人です。
彼の足跡は愛知県全土に広がっていますが、所蔵品が一番多いのは愛知県美術館ではないでしょうか。

筆者は彼の妹(姉?)の篠の作品のファンなのですが、愛知県美術館以外で実物をお目にかかったことはありません。
調べてみると篠の作品もいくつか所蔵しているようなのですが、展示されるときもあり、されないときもありいつでもみられるものではないので暇を見つけてはチェックして足を運ぶように心がけています。
達吉の作品も篠の作品もどちらも自然をモチーフにしたものが多く、特におすすめなのは篠の梅を刺繍した屏風です。
大きな屏風全面に描かれた満開の梅がとにかくすごかった。
もう一度、生をみてみたいのですが、なかなか展示してくれないので残念です。

まとめ

今回はプレミアムフライデーにぜひ訪れて欲しい!美術館についてご紹介しました。
企画展ももちろんすばらしいのですが、二館とも常設展だけでも充分に楽しむことができますので一度訪れてみてくださいね!

注意

収蔵作品は展示されていない場合があります。
どうしても見たい作品があるときは、確認の上、訪問されることをおすすめします。

確認の方法は公式サイトから「現在展示中の作品」を確認するか、直接電話で問い合わせても教えてもらうことができます。

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